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○こちよ「最近あの人自分のこと「ぱんださん」って言われることに罪悪感があるらしいわよ」●ちよ「もうそんなに若くないんだからそういうかわいい呼ばれ方は微妙よね」


by panda-panda78

土に生きる②

親が二人とも芸術家という環境で育っていると僕などにはわからない気持ちも芽生えるのだと思います。『将来芸術で生きていくにしても版画家と陶芸家にはならない』と親の職業はまず消していますしね。
と、実は僕も同じような部分がありまして。ブログにもなんどか出てきている伯父というのはイラストレーターをしておりまして、また伯父と甥はこれほどまでに顔が似ているのかというほど僕と親子のように顔が似ているということもあり、僕のおじいさん(シンペイ、実生活ではお酒が大好き、いざ囲碁のこととなるとアマチュアの本因坊)→僕の伯父(ケン、日本人がほとんどいなかったイギリスに8年)→僕(いまのところただのすっとこどっこい)、とどこか破天荒な生き方をうけつぐ血のつながりのないこの不思議な三代。なにをするにしてもたとえば中国にぼんやり旅にでても『あーケンちゃんの影響』とどうしても比較されたことが一時期つらかったことがありましたわ。僕は髪を切るときにはケンのロンドン時代の友人、ヴィダルでバリバリ働いていたという方の美容室に行っていたのですが、苗字が違うということもありひたすら隠していましたね。なんだか比較されたくなかったのでしょう。だから学校で『親が陶芸をしていて将来はその後を継ぎたい』と言う人を見ると、その軽やかに話すようすにあーすごいなあとひたすら感心するのです。特にクラスのIさんが『すごーく苦労してましたよ』とお父さんのことを感じていながらも、陶芸家の娘さんということを気負うこともなく、ピンクのマニキュアで土練りをしている姿が本当にかっこいいや。
ケン氏とは東京から離れたということもあり今は特に特別な感情をもっていないし、学校が決まったときにもよき協力者として話をさせてもらったけれども、彼の描く女性の絵の軽やかな線ってたぶん自分のなかに絶対に残っていくものだろうし、それとどうやって折り合いをつけていくのかというのが僕のなかでのテーマなんだろうなぁ。陶芸家の人って二代目っていうひとはざらにいるから、どうやってそのような人が巨大な壁を乗り越えてきたのかは非常に興味があるところです。

と、30時間の窯焚きの最後というのは本当に温度が上がらない。どんなにがんばっても1200付近でとまることもあるし、1230度くらいまで簡単に上がってしまうこともある。なかなかあがらない時には苦労した分なのか灰釉がどっと乗っていたりするし、温度は上がってもあまり薪を消費しないとあっさりしすぎたものになってしまう。
と30時間焚いたのならば同じ30時間放置してから窯のふたを開けるのだが、100度くらいで待ちきれずに熱い熱いといいながら取り出したりするのですが、この待っている間にろくろを使わせてもらったりしたのですわ。ろくろで茶碗を作るのも好きなのだけれども、だいたいなぞのオブジェ作品を作ってはご両親に苦笑されたりしておりました。
続く。
by panda-panda78 | 2006-05-04 23:27 | きみに読んで欲しい。